言わずと知れた高級ワインの代表格「オーパスワン」。
ワイン好きであればどの年が“当たり”なのか、相場の違いなど気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、最新のオーパスワン事情を含めてセカンドワインの「オーバーチュア」や関連の深い銘柄について詳しくご紹介します。
≪この記事でわかること≫
・オーパスワンの当たり年とはずれ年
・スーパーや専門店、オンラインストア販売状況と相場
・オーパスワンとオーバーチュアの違い
・オーパスワンと深い関係のワイン
・ラベルの意味や名前の由来
読み終える頃には、きっとオーパスワンを自信を持って語れるようになっているはずです。
オーバーチュアと同様に、カリフォルニアの高級ワインとして注目される「rindo(リンドウ)」も気になる方はこちらの記事も参考にどうぞ。

オーパスワンの当たり年と値段相場はいくらなのか?

まずは相場の前に、当たり年を押さえておきましょう。
今回は、世界的ワイン評論家ロバート・パーカー氏の評価「パーカーポイント(RP)」と、世界中のワイン愛好家が利用する「Vivino」から総合的に分析しました。
結論からお伝えすると、特に評価が高いヴィンテージは「2016年」。
続いて「2015年」と「2018年」も非常に優れた出来とされています。
一方で、あえて“はずれ年”とするなら、パーカーポイントが顕著に低かった「2000年」が該当します。
それぞれの年の評価について詳しく見ていきましょう。
パーカーポイント一覧とVivinoから見る当たり年・はずれ年
ヴィンテージ | パーカーポイント | Vivino評価/件数 |
---|---|---|
2024年 | – | – |
2023年 | – | – |
2022年 | – | – |
2021年 | 97 | 4.4(約440件) |
2020年 | 96 | 4.5(約120件) |
2019年 | 97〜99 | 4.5(約2720件) |
2018年 | 98 | 4.6(約4120件) |
2017年 | 95 | 4.7(約3910件) |
2016年 | 98 | 4.7(約4870件) |
2015年 | 97 | 4.7(約5910件) |
2014年 | 96 | 4.6(約6840件) |
2013年 | 97 | 4.6(約7630件) |
2012年 | 96 | 4.6(約7730件) |
2011年 | 93 | 4.6(約4000件) |
2010年 | 96 | 4.6(約6510件) |
2009年 | 95 | 4.6(約3890件) |
2008年 | 94 | 4.6(約1920件) |
2007年 | 95 | 4.7(約2770件) |
2006年 | 94 | 4.7(約2320件) |
2005年 | 95 | 4.6(約3180件) |
2004年 | 96 | 4.7(約1480件) |
2003年 | 93 | 4.6(約1330件) |
2002年 | 92 | 4.6(約980件) |
2001年 | 90 | 4.6(約1030件) |
2000年 | 84 | 4.6(約1070件) |
今回の判断はパーカーポイントとVivinoの評価スコア、そして評価件数を踏まえたものです。
著名な評論家による意見は信頼性が高く、非常に参考になると個人的にも感じています。
しかしワイン愛好家(Vivino)の多くの人は一般人であり、ソムリエでもなければ専門家でもありません。
だからこそ専門的な視点と、実際に飲んだ人の率直な評価の両方を大切にし、総合的な観点から「当たり年・はずれ年」とさせていただきました。
オーパスワンが安く買えるのはどこ?

高級ワインの代名詞とも言えるオーパスワンは「一度は飲んでみたい」と憧れつつ、踏み切れない方も多いはず。
しかし、実はショップや時期によっては、相場以下で入手できるケースもあるんです。
ここではオーパスワンを手頃に入手できそうなルートや、注意すべきポイントをわかりやすくご紹介します。
しっかり情報を押さえておけば「こんな相場で買えるなんて!」と驚くような一品に出会えるかもしれませんよ。
オーパスワンはコストコにある?イオンなど大手の取扱い状況
まずは相場の前に、そもそも実店舗でオーパスワンの取扱いがあるか確認することが重要。
そこでイオンやイトーヨーカドーといった全国展開の大手スーパー、さらにはコストコなどについてもリサーチしてみました。
≪お店ごとの取扱い状況≫
店舗 | 取扱い状況 |
---|---|
イオン | 基本なし・リカーショップ次第 |
イトーヨーカドー | 基本なし・リカーショップ次第 |
西友 | ほとんどない |
コストコ | 店舗によるが比較的あり |
高島屋・伊勢丹 | 店舗によるが比較的あり |
三越・西武そごう | 店舗によるが比較的あり |
ドン・キホーテ | 店舗による |
大型スーパーの取扱い
大手イオンやイトーヨーカドーは、お酒に特化したリカーショップが併設されていることがあり、そちらは取扱いの可能性があります。
しかし、一般的な食品売り場のお酒コーナーにはほとんど並びません。
特に小規模な店舗ではリカーショップ自体がない場合もあり、店舗ごとに取扱い状況に差があるのが実情です。
また、各店舗の入荷数がごくわずかであることも多く「1本限り」「予約制」「抽選販売」といったケースが目立ちます。
人気商品は売り切れも早く、事前にチラシなどのチェックが必要でしょう。
西友についても同じことが言えますが、少なくとも私の近隣にある3店舗でオーパスワンは確認できませんでした。
上記の中では最も入手のハードルが高いかもしれません。
コストコ・大手百貨店の取扱い
コストコは意外な“穴場”として知られています。
店舗ごとに在庫状況にはばらつきがあるものの、「入荷されることが多い」とワイン好きの間では言われています。
相場は約6.5万円前後で見かけることが多く、比較的お得に手に入る印象。
ただしコストコは会員制なので、非会員の方は入場すらできない点に注意しましょう。
一方で、大手百貨店では高級ワインを取り扱っている店舗もあり、オーパスワンを見かける機会もあります。
特に、リカーショップがテナントとして入っている場合は、取扱いの可能性が高まります。
とはいえヴィンテージを指定して入手するのは難しく、価格帯も7〜8万円ほどと、やや高めに設定されているケースが多いようです。
ドン・キホーテの取扱い
こちらもスーパーと同様に、店舗によってオーパスワンを取り扱っている場合があります。
特にメガドンキのような大型店舗では入荷の可能性が高くなりますが、注意すべき点が3つあります。
・店舗ごとに在庫や相場が大きく異なる
・正規品ではない可能性(並行輸入品)がある
・保管環境がわからない
店舗によってヴィンテージや在庫状況、相場が全く異なっています。
また、ディスカウントストアということもあって並行輸入品が多く、品質の管理体制も基本はお店任せ。
ワインに詳しくない方が担当していたり、保管設備や品質については不明です。
高級ワインの相場は販売場所によっても異なります。
実際にドンペリをドンキとオンラインで比較した例も参考になるかもしれません。

オーパスワンを成城石井で探してみた結果
成城石井はワインの品ぞろえも豊富なので「もしや」と思い探してみましたが、最寄りの2店舗では取り扱いがありませんでした。
ただし過去には取り扱いの例があり、90周年記念の際にはオンラインストアで販売されていたようです。
出典:成城石井90周年記念
店頭では、デイリーワインや1万~3万円程度の中価格帯ワインが主力のため、オーパスワンのような超高級ワインを見つけるのは難しいかもしれません。
とはいえ店舗限定品もあるため、近くに店舗がある方は一度チェックしてみる価値はありそうです。
各お店とオンラインストアの比較
これまでリサーチ結果をもとに、楽天やAmazonといった大手オンラインショップとの違いを比較してみましょう。
それぞれの販売ルートから価格帯や在庫状況、取扱いの傾向を見ればどこで入手するべきか判断材料になります。
入手場所 | 詳細情報 |
---|---|
イオン イトーヨーカドー | 〇≪価格目安≫約6.5万円~ △≪在庫傾向≫数量限定 △≪特徴や注意点≫チラシや事前告知、シーズン限定の可能性も。 |
コストコ | 〇≪価格目安≫約6.5万円~ △≪在庫傾向≫入荷不定期・店舗ごとに異なる △≪特徴や注意点≫安価だが会員制で在庫は非公開、見つけたら即入手が吉。 |
リカーショップ | △≪価格目安≫7〜8万円 △≪在庫傾向≫比較的あるが店舗による 〇≪特徴や注意点≫保存状態が良く正規ルートが多いが並行輸入も。 |
成城石井 | △≪価格目安≫7〜7.5万円 △≪在庫傾向≫年により変動 △≪特徴や注意点≫超高級ワインの取扱いは少ない。 |
百貨店(高島屋など) | △≪価格目安≫7〜8万円 △≪在庫傾向≫シーズン・数量限定 〇≪特徴や注意点≫品質保証かつギフト対応や外商割引あり、信頼性重視に最適。 |
オンラインストア | 〇≪価格目安≫約6.5万円~ 〇≪在庫傾向≫豊富・常時確認可能 △≪特徴や注意点≫比較しやすいが並行品に注意、信頼できるショップを選ぶ。 |
やはり高級ワインということもあり、実店舗での取扱いは非常に限られる印象です。
私自身も複数のスーパーやリカーショップをチェックしましたが、どのお店でもオーパスワンは見つかりませんでした。
さらにその中から狙った“当たり年”を見つけるとなると、ほとんど奇跡に近いレベルです。
特定のヴィンテージを確実に入手であれば、やはりオンラインショップが最も現実的な選択肢といえるでしょう。
そこで次に、オンラインストアで当たり年の取扱いはあるのかリサーチしてみました。
当たり年の相場をオンラインストアでリサーチした結果

結論から申し上げますと、当たり年のオーパスワンを見つけることができました。
しかし、ヴィンテージによってはやはり在庫が少ないです。
現在のオンラインストアの中から専門店かつ安いものやアウトレット明記のないものをリサーチ、ピックアップしてみました。
参考までに、新しい2021年ヴィンテージの相場は6万円~7万円。
簡単に当たり年をおさらいしておきましょう。
オーパスワン 2016年(希少な一品)
在庫はそこそこありますが相場のブレが大きく、9万円程度の出品もあります。
そのため中央値は7万~8万円となりそうです。

ハーフボトル(375ml)

マグナムボトル

オーパスワン 2015年(専門家のおすすめ)
2016年よりは在庫が多い傾向があります。
こちらも相場のブレは大きいですが、2016年よりも入手しやすい印象を受けました。


オーパスワン 2018年(多くの高評価・入手しやすさ◎)
2018年ヴィンテージは比較的在庫が多め。
今のところ相場的にも抑えられているのでおすすめです。


オーパスワンはなぜ高い?相場とその背景

オーパスワンの相場を見て思わず驚く人も多いはず。
実を言うと、私自身も普段は1,000円以下のデイリーワインを愛飲しているので、いつ見ても「おぉ…」という感想しか浮かびません。
けれど、ただ“高いワイン”というだけではなくて、ちゃんとした理由があります。
その背景にある生産体制や時代ごとの価値の変化を知ることで、オーパスワンの見方が少し変わるかもしれません。
ここでは高騰する理由と、時代によってどのように相場が推移してきたのかを見ていきましょう。
オーパスワンを昔の値段相場と比べた推移
まず前提として押さえておきたいのは、近年世界的にワイン市場の価値と需要が高まっているという事実です。
需要が増えればそれだけ希少性が高まり、ワインは金やプラチナのように“投資対象”としても注目されるようになります。
こうした背景に加えて、日本では円安進行や関税の影響など、オーパスワンをはじめとする輸入ワインの相場は年々上昇傾向にあると考えられます。
以下のチャートと解説をご覧ください。

出典:https://winejournal.robertparker.com/
単純に年代ごとの上昇指数から見ても、カリフォルニアワインは2015年に比べて約1.8倍となっています。
さらにオーパスワンを含む代表的な5銘柄について、それぞれの上昇率をまとめたチャートがこちらです。

出典:https://winejournal.robertparker.com/
順位 | 5年間の上昇率 |
---|---|
1位:Screaming Eagle | +89.2% |
2位:Dominus | +65.3% |
3位:Opus One | +57.0% |
4位:Harlan Estate | +55.5% |
5位:Ridge Monte Bello | +38.3% |
これらの相場上昇率に加えて当時の日本の円安状況などを踏まえると、現在の水準にも十分頷ける理由が見えてきます。
実際は日本への輸入時期や在庫状況、市場の需要と供給などで変動します。

計算上は理解できても高騰の事実に心は追いつきませんね…。
振り返ってみても多くのものは時とともに相場は上昇しており、下がる例を探す方が難しいほど。
特にヴィンテージワインのように年数を重ねて希少性が増すものは、まさにその象徴とも言えます。
これから先のことを考えても、やはり「欲しいと思ったときに入手」というのが現実かもしれません。
オーパスワンのように高いけれど納得の1本は他にもあります。
例えば高級シャンパンの世界でも「ドンペリとクリュッグ、どちらを選ぶべきか?」という議論が絶えません。
相場だけでなく、造り手の哲学や味わいの違いを知ることで本当に価値ある1本が見えてくるはずです。


オーパスワンの“もう一つの顔”、オーバーチュア


オーパスワンにはもうひとつの顔「オーバーチュア」というワインがあることをご存じですか?
公式にも“セカンドラベル”として紹介されており、本家オーパス・ワンとはまた異なる魅力を持ったワインです。
「オーバーチュア」とはどんなワインなのか。
オーパスワンとの違いや特徴、相場などをご紹介します。
一般には“販売されない”前提で生まれたノンヴィンテージワイン
オーバーチュア(Overture)は、もともと「ワイナリーに訪れた人だけが買える限定品」として販売されていました。
当初はオーパスワン本体のブランディングを最優先しており、サイドプロジェクトとして位置づけられていたのです。
しかし近年は需要の高まりと生産体制の最適化により一部で流通するようになりました。
オーバーチュアはボルドーの5品種をブレンドして作るマルチヴィンテージであり、毎年造られるわけではありません。
その名が示すとおり、“序章”を意味するオーバーチュアは、オーパス・ワンの世界観をよりカジュアルに体験できるワインとして密かに人気を集めています。
ただし現在でもその希少性は高く、一般的なスーパーはもちろん、専門店でも簡単には手に入らないのが実情です。
なお、2021年リリース分からは初めてヴィンテージ表記されるようになりましたが、これは収穫年ではなく出荷・リリース年を意味します。
オーパスワンとオーバーチュアの違いは?
2つのワインは同じワイナリーから生まれており、畑や品種・手法はオーパスワンと全く同じです。
ではどこに違いがあるのか、ポイントをわかりやすく整理してみました。
オーパスワン | オーバーチュア |
---|---|
≪タイプ≫ ヴィンテージワイン | ≪タイプ≫ ノンヴィンテージワイン |
≪価格帯≫ 約6~7万円 | ≪価格帯≫ 約3~4万円 |
≪入手難易度≫ 市販でも入手可能(在庫は限定) | ≪入手難易度≫ 市販・流通かなり少なめ |
≪飲み頃≫ 数年寝かせるとより美味しい | ≪飲み頃≫ 若いうちから楽しめる |
≪コンセプト≫ 単一年のぶどうを使った至高の一品 | ≪コンセプト≫ 複数年のぶどうを活かしたマルチヴィンテージ |
いずれも高級ワインには変わりありませんが、オーバーチュアはオーパスワンに比べて安価であり、手に取りやすい点が魅力です。
さらに、若いうちから美味しく楽しめる設計になっている点も大きな違いと言えるでしょう。
「オーパスワンは憧れるけど、予算的に厳しい…」という方でも、オーバーチュアであれば試してみる価値があります。
また、両者を飲み比べて味わいの違いを楽しむのもワイン好きならではの贅沢な楽しみ方です。
オーバーチュアはオンラインストアで入手可能
リサーチを進めた結果、信頼できる専門店の中には、オーバーチュアを取り扱っているところがいくつかあることがわかりました。
同じく比較的安く、かつ「アウトレット品」や「訳あり」などの記載がない商品をピックアップしてご紹介しておきます。
オーパスワンと深い関係を持つワインたち


オーパスワンは、その品質とブランド力で世界中のワイン愛好家を魅了してきました。
ですが、このワインは単独のワイナリーから生まれたものではありません。
フランスとアメリカ、それぞれのワイン文化を象徴するワイナリー同士の協力によって誕生したのがオーパスワンなのです。
この章では、オーパス・ワン誕生のきっかけを築いたとされるキーパーソンに注目。
合わせてその人物が率いたワイナリーに焦点を当てながら、それぞれのフラッグシップワインについてご紹介していきます。
ロバート・モンダヴィ・ワイナリー
ロバート・モンダヴィ・ワイナリーは、カリフォルニアのナパ・ヴァレーに拠点を置き、“現代アメリカワインの父”と称される存在です。
1966年の創業以来、アメリカワインの評価を世界的に高める原動力となりました。
フランスとの共同プロジェクトであるオーパスワンには、モンダヴィの革新的な醸造技術と情熱が色濃く反映されています。
彼の理想がなければオーパスワンは存在しなかったでしょう。
なお、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーのフラグシップとして知られるのが「ロバート・モンダヴィ リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン」。
ナパ・ヴァレーの魅力を凝縮した、力強くエレガントな一本です。


シャトー・ムートン・ロスチャイルド
シャトー・ムートン・ロスチャイルドは、ボルドー五大シャトーに名を連ねる世界屈指の名門ワイナリー。
オーパスワンの誕生には、フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵の強い想いがあり、モンダヴィ氏とともにフランスとアメリカの技術の融合を実現させました。
オーパスワンには、ムートン譲りのブレンド技術や「芸術としてのワイン」という哲学が深く息づいています。
なお、ムートンのフラグシップはその名のとおり「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」。
毎年アーティストが描くラベルも話題となる、ボルドーを代表する一本です。
このワインは近年のヴィンテージでも相場が10万~20万、古いものは数百万の値が付くものもあります。
手が届かないという方は、セカンドワインも検討してみてください。




アルマヴィーヴァ
アルマヴィーヴァは、チリの名門コンチャ・イ・トロ社と、シャトー・ムートン・ロスチャイルドが手を組んで生まれたワインです。
1997年に誕生した比較的新しいブランドながら、「異なる文化と技術を融合させたプレミアムワインを造る」という思想は、オーパスワンと深く通じるものがあります。
フラグシップである「アルマヴィーヴァ」は、南米を代表するプレミアムワイン。
重厚な味わいと熟成力から、「南米版オーパスワン」とも称されています。
こちらは比較的手が届きやすく、相場は2.5~3万円ほど。
セカンドワインの「エプ」なら1万円以下で手に入るので試してみてください。




オーパスワンは単なる“高級ワイン”ではなく、国と文化を超えたワイン造りの結晶です。
ロバート・モンダヴィの情熱、ムートン・ロスチャイルドの伝統、そして世界に広がる思想たち。
それらを知ることでオーパスワンというワインがなぜここまで特別視されているのか、その理由がきっと見えてくるはずです。
オーパスワンの味わいと楽しみ方


高級ワインと聞くと「難しそう」「自分にはハードルが高いかも」と感じる方も少なくないでしょう。
けれどオーパスワンは、ただ味わい深いだけではなく、背景を知れば知るほど楽しくなる奥行きのあるワインなんです。
この章ではオーパスワンの味の魅力や基本の楽しみ方はもちろん、ラベルや名前に込められた物語までわかりやすく解説していきます。
初めての方も、すでに飲んだことのある方も「そんな意味があったんだ」と新たな発見があるかもしれません。
名前の由来とラベルに込められた意味
「オーパスワン」という名前には深い意味が込められています。
“Opus”はラテン語で「作品」、そして“One”は「一つ」や「唯一の存在」を表す言葉。
つまりこの名前は「唯一無二の作品」という思いを象徴しています。
これはワインをただの飲み物としてではなく、芸術作品のように仕上げたいという哲学を反映したものです。
また、ラベルに描かれている2人のシルエットにも注目。
左はアメリカのワイン界を代表する「ロバート・モンダヴィ」、右はフランス・ボルドーの名門「フィリップ・ド・ロスチャイルド」なんです。
シンプルかつ洗練されたデザインは、名前とラベルだけで「誰が、どんな思いで造ったのか」まで伝わるよう設計されています。
特別な一本のラベルは保存しておきたいという方も多いはず。
きれいに剥がしてコレクションする方法はこちらで紹介しています。


オーパスワンの味わいと楽しみ方のポイント
オーパスワンは、非常にバランスの取れた赤ワイン。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルローやカベルネ・フランなど、複数のブドウ品種がバランスよくブレンドされています。
その魅力は凝縮感のある果実味と、きめ細やかなタンニン(渋み)、そして口の中に長く残るエレガントな余韻。
ブラックチェリーやカシス、ほのかに漂う杉の香りが複雑に重なり合い、上質なダークチョコレートを思わせる深みがあります。
若いうちでも十分に美味しくいただけますが、熟成させることで奥行きとまろやかさが増し、時間とともに表情を変えていくのも魅力のひとつです。
少し意識を向けるだけで「こんなに豊かな味わいだったんだ」と思わず驚くほど、印象が変わって感じられるはずです。
そしてオーパスワンは特別な日に静かにグラスを傾けるだけで、上質な時間を演出してくれる一本でもあります。
グラスの使い方や温度だけでなく、実は「グラスの回し方」でも香りの立ち方が変わるという眉唾な話も。
詳しくはこちらの記事で解説しています。


オーパスワンの当たり年と値段相場のまとめ
オーパスワンは、どの年でも素晴らしいワインであることは間違いありません。
その中でも「当たり年」と呼ばれる年は味・熟成・価値のバランスが特に優れている年のもの。
また、当たり年だからといって高すぎるわけではなく、年によってはお手頃に楽しめるチャンスもあるでしょう。
これまでの内容を簡単におさらいしておきます。
【オーパスワンの当たり年と相場のまとめ】
・オーパスワンの当たり年は「2016年・2015年・2018年」などが人気で評価も高い
・はずれ年とされるのは「2000年」で、やや評価が低め
・ヴィンテージにこだわらなければ、実店舗でも手に入る可能性がある
・有力な実店舗としては、コストコや高島屋などの百貨店が代表的
・相場以下のヴィンテージを入手したいなら、比較しやすいオンラインストアがおすすめ
・オーパスワンの相場には、ワインの市場価値と世界的な需要、そして日本の円安傾向が影響している
・オーバーチュアは、オーパスワンのセカンドラベルにあたるノンヴィンテージワイン
・ロバート・モンダヴィ・ワイナリーは、オーパスワンを共同で立ち上げた重要な存在
・シャトー・ムートン・ロスチャイルドとのコラボによって、オーパスワンが誕生した
・アルマヴィーヴァは「南米版オーパスワン」とも呼ばれ、思想的に深く通じるワイン
・「オーパスワン」という名前には、“唯一無二の作品”という意味が込められている
・ラベルに描かれているのは、左がロバート・モンダヴィ、右がフィリップ・ド・ロスチャイルド
・オーパスワンをおいしく楽しむには、16~18度で提供し、香りを引き出す大きめのボルドーグラスを使うのがベスト
オーパス・ワンには、単なる味わいを超えた“物語”があります。
フランスとアメリカの融合、そして時間と情熱を重ねて生まれたこのワインは、まさに「一つの芸術作品」と呼ぶにふさわしい存在です。
背景を知ることで、味わいの奥行きや感動はより深くなる、そんな特別な体験がここにはあります。
あなたにとって記憶に残る一本となりますように。
宜しければこちらもどうぞ。



