カサーレヴェッキオと言えば、シャトーモンペラと並び、漫画『神の雫』で取り上げられたことで一躍話題となったワイン。
その高い品質と優れたコスパから「イタリア版モン・ペラ」とも称され、日本でもブームを巻き起こしました。
そんな人気ワインにも、やはり“当たり年”と呼ばれる特別なヴィンテージが存在します。

どのヴィンテージが美味しいの?



最近のものでも美味しいと聞いたが?
そんな疑問にお答えしていきます。
この記事を読めば、カサーレヴェッキオの魅力や背景がもっと深くわかるはず!
きっと次に飲む一杯がさらに特別なものになるでしょう。
同じく話題になったモンペラや、ケンゾーエステート「rindo」の当たり年についてはこちらをご覧ください。




カサーレヴェッキオの当たり年とは?


結論から申し上げて、カサーレヴェッキオの当たり年トップ3は「2017年・2018年・2019年」です。
ワインの専門家や愛好家が集まるVivino(ヴィヴィーノ)において、特に2017年は6,000件を超える人々から高評価を得ています。
様々な要因がありますが、2017年はイタリア全土から見ると暑く乾燥した年でした。
しかしアブルッツォ地方では比較的安定した気候が続き、ブドウの熟度が良好に。
その結果、熟したベリー系果実の風味と程よい酸味、スムーズなタンニン(渋み)を兼ね備るバランスの取れた仕上がりとなっています。
【カサーレヴェッキオ ヴィンテージ評価一覧】
年代 | 評価 | 評価件数 |
---|---|---|
2024年 | ― | ― |
2023年 | ― | ― |
2022年 | 3.8 | 約140件 |
2021年 | 3.8 | 約180件 |
2020年 | 3.8 | 約350件 |
2019年 | 3.8 | 約1,110件 |
2018年 | 3.8 | 約1,260件 |
2017年 | 3.8 | 約6,490件 |
2016年 | 3.7 | 約3,230件 |
2015年 | 3.7 | 約1,790件 |
2014年 | 3.7 | 約1,340件 |
2013年 | 3.7 | 約860件 |
2012年 | 3.7 | 約740件 |
2011年 | 3.5 | 約160件 |
2010年 | 3.7 | 約180件 |
2009年 | 3.7 | 約240件 |
2008年 | 3.8 | 約150件 |
2007年 | 3.7 | 約70件 |
2006年 | ― | ― |
2005年 | ― | ― |
その人気からすぐに売れてしまうため熟成されたヴィンテージの流通量は少なく、希少価値は高まっています。
2017年〜2019年ヴィンテージは、実店舗ではまずお目にかかれないと思ったほうがよいでしょう。



しかし入手方法はあるのでご安心を。
時間をかけてリサーチした結果、いくつか取扱いを確認できました。
因みに正式名称は「ファンティーニ(ファルネーゼ) カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチアーノ ダブルッツォ」です。
長すぎるので基本は省略(由来や意味説明で使う)とします。
相場は2,500円~3,500円とお考え下さい。
【2017】カサーレ・ヴェッキオ(希少な一品)
流通は少ないようで、いくつかのお店で取り扱う程度のようです。
その割には安くて手の届く価格帯、本当にコスパの良いワインですね。


【2018】カサーレ・ヴェッキオ(専門家のおすすめ)
リサーチ時期によるのかもしれませんが、なぜか2017年のものよりも流通が少なめ。
希少価値としては2017年とそれほど差はないのかもしれません。


【2019】カサーレ・ヴェッキオ(最も入手しやすい)
2019年ヴィンテージは、比較的見つけやすい状況でした。
もし2018年が手に入らない場合は、評価やレビュー件数に大きな違いはないため充分候補に入れてよいでしょう。


熟成は不要?カサーレヴェッキオが若くても美味しい理由


もちろん、年ごとの気候や環境によって品質に違いが出るため「当たり年」が優れていることは間違いありません。
ただし、カサーレヴェッキオが若いうちから美味しいと言われるのは、ヴィンテージに関係なく「熟成を待たずとも完成度の高いスタイル」で造られているからです。
モンテプルチャーノ種ならではの濃厚な果実味やスパイシーさ、バニラの香りを最大限に引き出すため、樽熟成と短期の瓶内熟成を経て「飲み頃のピーク」に仕上げられています。
長期熟成で複雑さを追求する高級ワインとは異なり、カサーレヴェッキオはブドウ本来の凝縮感と果実の力強さで勝負するスタイル。
その魅力を素直に味わうなら、フレッシュな「2022年ヴィンテージ」からぜひ試してみてください。
カサーレヴェッキオ2022の評価・口コミ



主人の大好きなワインです。お誕生日の為に買いました。この値段でこの濃厚さは唯一無二かと!



美味しい!香り・味ともに申し分ありませんでした。 良いワインに出会えて、良かった。 もう一度、飲みたいワインです。



価格の割に安いほんと美味しい大好き お客様に出しても恥ずかしくない
引用:楽天みんなのレビュー
2022年ヴィンテージのカサーレヴェッキオは、フレッシュさと親しみやすさが際立つ一本です。
この年は、果実味が豊かで明るい酸味を感じられる味わいに仕上がっており、軽快な飲み心地が特徴的。
赤ワインが苦手な人でも「これなら飲める」と感じることが多く、カジュアルなシーンにもよく合います。


カサーレヴェッキオはカルディで買える?
比較的新しいヴィンテージであれば現在も流通しているケースがあります。
実際、カルディのオンラインショップでは約2,800円前後で販売されていました(※時期や在庫状況により変動あり)。
そのためワインの取り扱いが豊富な酒屋やカルディの実店舗、またはイタリアワインに力を入れている専門店でも見つかる可能性はあります。
ただし販売状況は店舗ごとに大きく異なり、店頭では取り扱いのないケースも少なくありません。
確実に購入したい場合は楽天市場やAmazonなどの大手通販サイトを利用がおすすめです。
価格や在庫の確認も手軽にできるので、時間をかけずに探せます。
カサーレヴェッキオには兄弟ワインが存在する!


カサーレヴェッキオと聞くと、多くの人が濃厚な赤ワインを思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし同じ「カサーレヴェッキオ」シリーズには、白ワインや異なるブドウ品種を使った“兄弟ワイン”も存在します。
そんな兄弟ワインたちについて、違いや共通点を交えて軽く触れていきましょう。
ワイン名(タイプ) | ぶどう品種 |
---|---|
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ コッリーネ・テラマーネ(赤・格上) | ≪品種≫ モンテプルチアーノ ≪特徴≫ フルボディ。 重厚で複雑、熟成向き、スパイス香も豊か |
ファンティーニ サンジョヴェーゼ(赤) | ≪品種≫ サンジョヴェーゼ ≪特徴≫ ミディアムボディ。 軽やかで酸味が際立つ、ベリー系の香り |
カサーレ・ヴェッキオ ココッチョラ(白) ※ほぼ流通なし | ≪品種≫ ココッチョラ ≪特徴≫ 柑橘系の爽やかな酸味、すっきり軽やかな飲み口 |
カサーレ・ヴェッキオ ペコリーノ(白・コク系) ※ほぼ流通なし | ≪品種≫ ペコリーノ ≪特徴≫ 白でもコクあり、熟した果実とまろやかさ |
このようにいくつか関連シリーズや派生ワインがありますが、日本ではほとんど流通していないものもあります。
リサーチのうえ入手可能なアイテムをピックアップしておきました。
カサーレヴェッキオがお好きな方は、ぜひあわせてチェックしてみてください。
ファンティーニ コッリーネ・テラマーネ


こちらは“兄弟ワイン”というより、カサーレヴェッキオの上位モデルと言うべき存在かもしれません。
同じモンテプルチャーノ種を使用していますが、スタイルは大きく異なります。
カサーレヴェッキオが「果実感あふれる即戦力タイプ」「コストパ重視」とするなら、じっくり熟成させることで深みを増すクラシックな長熟型。
時間をかけて育てることで、より複雑で上質な味わいを楽しめるタイプです。
ファンティーニ サンジョヴェーゼ テッレ・ディ・キエティ


サンジョヴェーゼの中では比較的ベーシックなクラスに位置づけられ、親しみやすい1本。
フルボディで力強いカサーレヴェッキオと比べると、ミディアムボディで飲み口も軽やか。
価格も手頃で、デイリーワインとして気軽に楽しめる点が魅力です。
その味わいから、しっかりした肉料理よりもトマトソースを使ったパスタやピザ、ラザニアなどとの相性が特に良いでしょう。
カサーレヴェッキオの産地や名前に込められた意味


カサーレヴェッキオは、イタリア中部・アブルッツォ州で造られている赤ワインです。
実は、ワイン名にもその地名がしっかり組み込まれていることにお気づきでしょうか?
名前の最後についている「ダブルッツォ」が、まさにアブルッツォ州産であることを示すイタリア語。
総じてながーい正式名称「ファンティーニ(ファルネーゼ) カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチアーノ ダブルッツォ」を訳すとワインの背景やストーリーが顔を出します。
つまり意訳すると「ファンティーニ(旧ファルネーゼ)が手がける、アブルッツォ州の土地と伝統を受け継ぐモンテプルチアーノ種のワイン」です。
この地方は海と山に囲まれた自然豊かな地域で、古くからワインづくりが盛んな場所として知られています。
そしてモンテプルチアーノという品種はアブルッツォ州を代表する存在。
日当たりの良い丘陵地帯で育つブドウは果実味が凝縮し、濃厚なワインになります。
ちょっとした豆知識ではありますが、産地や名前の由来を知ることで、グラスを傾けたときに思い浮かぶ情景も『神の雫』の世界そのもの。
知れば知るほど、ワインの時間がさらに豊かになりますよね。
「ファルネーゼ」は現在「ファンティーニ」ブランドに統合
カサーレヴェッキオの人気と共に知られるようになったファルネーゼ社ですが、2014年頃から段階的にブランド名を「ファンティーニ」へと変更。
現在では、カサーレヴェッキオも「ファンティーニ・グループ」の看板銘柄のひとつとして展開されています。
このブランド変更は、グローバル市場での認知度向上とブランド戦略の見直しを目的に行われました。
特に英語圏やアジア圏では「ファルネーゼ」が読みづらく覚えにくいことから、よりシンプルで親しみやすい「ファンティーニ」へと変更されたのです。
ただし、日本では「ファルネーゼ」の名前でブームになった印象が今も根強く、現在も両ブランド名を併記して販売されるケースが多く見られます。
神の雫とカサーレヴェッキオの関係


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カサーレヴェッキオは、もともと一部のワイン好きにしか知られていなかった、お手頃価格で楽しめる隠れた名ワイン。
そんな存在が一躍脚光を浴びるきっかけとなったのが、人気ワイン漫画『神の雫』への登場でした。
シャトーモンペラと同じく、作中で紹介されたワインが実際に売り切れになることも珍しくありません。
カサーレヴェッキオも例外ではなく「神の雫に出ていたワインを飲んでみたい!」という声が殺到し、瞬く間に話題のワインとなりました。
手頃なのに満足度の高い味わいで、今も多くのファンを惹きつけています。
カサーレヴェッキオは何話で紹介された?作品内での評価
カサーレヴェッキオが登場するのは『神の雫』第19巻。
作中では、なんと16,000円クラスの高級ワインにも匹敵する味わいとして紹介され、その濃厚さと個性的な存在感が強烈なインパクトを残しました。
この評価の背景には、当時のカサーレヴェッキオが採用していた製法にあります。
通常は1本のブドウの木から8房ほど収穫するところを、あえて2房に厳選。
ブドウ1粒1粒の凝縮感を極限まで高めているため「実質4倍の価値がある」と話題になりました。
こうしたストーリーも相まって、カサーレヴェッキオは『神の雫』で一気に注目を集め、ワイン初心者から愛好家まで広く知られる存在に。
なお、現在は樹齢が上がったことでブドウそのものの凝縮度が自然に高まり、収穫は1枝あたり4房に調整されています。
ちなみに神の雫はHulu独占配信のドラマが好評で、シーズン2も決定しています。
気になる方はこちらをご覧ください。


【まとめ】カサーレヴェッキオの当たり年は2017だけど若くても美味しい
カサーレヴェッキオの“当たり年”を語るなら、間違いなく2017年が筆頭という結果になりました。
濃厚な果実味とバランスの良さ、複雑さまで備えた完成度の高さから、多くのワインファンの間で「迷ったらこれ」と称されるほど人気のヴィンテージです。
とはいえカサーレヴェッキオの真骨頂は、若いヴィンテージでもすぐに楽しめるところ。
2022年といった最新ヴィンテージでも、グラスに注いだ瞬間から広がる凝縮感と華やかな香りは十分魅力的。
特別な熟成を待たずに、開けたその日から気軽に“本格派の美味しさ”を楽しめる、そんな特徴もこのワインならではです。
これまでの内容をまとめてみましょう。
【カサーレヴェッキオまとめ】
・カサーレヴェッキオの当たり年トップ3は「2017年・2018年・2019年」
・ヴィンテージは市場でも数が減少、見つけたら即買い推奨
・若いヴィンテージでも十分に美味しい。
・カルディやワイン専門店でも買えるが、確実なのはオンラインストア
・「神の雫」は19巻に登場、日本でも一気に有名に
・「コッリーネ テラマーネ」という上級品がある
・兄弟ワインを試したことがない方は、ぜひ一度ご賞味あれ
・カサーレヴェッキオはイタリア語で「古い農家」「伝統ある家」を意味している
・産地はイタリア中部アブルッツォ州、海と山に囲まれた自然豊かなワイン
・カサーレヴェッキオは元「ファルネーゼ」、現在は「ファンティーニ」に統合
カサーレヴェッキオは初心者でも失敗しにくく、いつでも手軽にワインの世界を楽しませてくれる一品。
「最初の1本」としても「普段飲み」としてもおすすめです。
その日の気分や料理と合わせて、新しい発見があるはず。
入手ができなくなる前に、ぜひ自分だけのお気に入りヴィンテージを探してみてください。
宜しければこちらもどうぞ。



