天王町駅を降りて徒歩5分。
東口改札を出て右手の大通りを進むと、ちょこんと見えてくる看板。
スマホを見ながら歩いていると気づかず通り過ぎてしまいそうなほど、控えめです。

こちらを目印に細い路地を通ると見えてくるのが、創業100年を超える老舗酒屋「福屋尾崎商店」さん。
現在正面にある塾の建物も、もともとは福屋尾崎商店さんだったそうです。
それも時代とともに規模を縮小し、今では「知る人ぞ知る酒屋さん」として営業されています。
お店は兄弟で切り盛りされており、落ち着いた空気の中でゆっくりとお酒を選べるのが印象的でした。
店主との会話の中でおすすめしていただいたのが、石川県能登に蔵元を構える鶴野酒造店の日本酒「谷泉」。
2024年1月1日の震災で被災し、取引開始直後に蔵が全損という辛い過去があります。
現在は、なんとか復興に向けて活動しつつ、同じ石川にある吉田酒造店のお力を借りて日本酒を提供しているそう。
福屋尾崎商店さんでは、そのお酒を日本酒好きの方に届けるかたちで、支援を続けているとのことでした。
その話を聞き、私も一本購入させていただくことに。

販売:鶴野酒造 製造:吉田酒造
グラスに注ぐと、甘酒を思わせるやわらかな香りが広がり、口に含むと想像以上にフルーティー。
ほんのりシュワっとしたニュアンスがあり、香りから想像する甘さよりも、後味はキリッと引き締まった印象でした。
被災地のことを思い浮かべながら飲むとどこか哀愁も感じますが、復興に向けて歩み続ける能登を静かに応援する気持ちで、美味しくいただきました。
店内には「越の鷹」など神奈川県内でも限られた酒屋でしか扱われていない銘柄のほか、チョコレートやコーヒー、スイカのお酒など遊び心あるラインナップも並びます。
毎週金曜日の営業後(20:00〜23:00)には量り売りの角打ちを開催。
月末最終週の金・土には同時間帯で1,800円の飲み放題角打ちも行われており、気軽にさまざまなお酒を楽しむことができます。
量り売りの場合は1杯300円前後と、立ち寄りやすい価格なのも魅力です。
実際に私も角打ちに参加させていただきました。


気になっていたお酒を少しずつ試せるので、自分好みのお酒を見つけることができます。
店主と会話をしながらお酒を楽しめる空間は心地よく、常連の方も気さくに接してくださいました。
初めてでも自然とその場の空気に溶け込める、このお店ならではの雰囲気です。
天王町駅から5分ほどといったアクセスの良さもあり、気軽に足を運ぶことができます。
近くにお住まいの方、お酒との新しい出会いを探している方は、ぜひ一度立ち寄ってみてください。
こうした地元酒屋さんとの出会いを大切にしながら、お酒を通じて地域の魅力をこれからもゆっくり発信していきたいと思います。
