毎年11月になると、ちょっとした“ワインのお祭り”が始まります。
それが「ボジョレー・ヌーボーの解禁日」。
そして解禁日と同じく、もしくはそれ以上に話題になるのが「キャッチコピー」です。
「100年に一度の出来」や「今世紀最高の味わい」など毎年のように登場するこのフレーズは、ワインと同様に奥深いものが多いです。
そこで今回はボジョレー・ヌーボーのキャッチコピーに注目してみました。

ワインの楽しみ方は味や香りだけではないんです。
歴代の名フレーズを振り返るとともに、現代ならではのAIを利用して2025年のキャッチコピーを予想してみます!
≪読むとわかる3つのこと≫
・過去に話題になったキャッチコピーの意味と背景
・2025年版のキャッチコピーをAIが大胆予想!
・キャッチコピーの決め方や関係者など、裏側の仕組み
ワインに詳しくなくても大丈夫。
誰もが今年のボジョレーを「もっと楽しめるように」ご紹介していきます。
ボジョレーのような知名度はありませんが、ワイン通に人気なのがカレラやプピーユです。
宜しければこちらもどうぞ。




ボジョレー・ヌーボーの歴代キャッチコピーは2パターンある


ボジョレー・ヌーボーはただのワインではなく、毎年“キャッチコピー”が話題になるほど、日本でも注目を集めています。
実はこのキャッチコピー、「公式見解」と「日本版キャッチコピー」の2パターンあるのはご存じですか?
いつからか日本の大手取引先も参戦し、公式見解を元に日本人に分かりやすく、かつ親しみやすくするために始めました。



確かに直訳だと魅力が伝わらないことってありますからね。
ボジョレーのキャッチコピーは誰が決めているの?解禁日との関係
これらの言葉はいったい誰が決めているのか気になりますよね。
なんとなく誰かが決めてるように思えるかもしれませんが、実はちゃんと仕組みがあります。
まず、フランスでは「ボジョレー委員会」がその年のブドウの出来や味わいをチェックして評価。
その評価をもとにフランス食品振興会(SOPEXA/ソペクサ)が表現として公式のキャッチコピーを発表します。
これは解禁日(11月第3木曜日)の前後に発表されることが多く、ニュースやワインショップの店頭などで見かけますよね。
一方、日本のワイン輸入会社や販売元(たとえばサントリーやエノテカなど)は、自社ブランド向けに独自のキャッチコピーを考える場合もあります。
そのため複数のキャッチコピーが存在する年もあるのです。
過去のキャッチコピーの中には「これ、本当にワインの話?」とツッコミたくなるようなものもちらほら。
ユニークな表現はその年の出来栄えだけでなく、印象をガラッと変えるもの。
まずは話題作りも上手なボジョレーの歴代キャッチコピーをぞれぞれ見てみましょう。
【公式】フランス食品振興会(SOPEXA)の歴代キャッチコピー
※当たり年…赤色 ツッコミ年…青色
年度 | 公式キャッチコピー |
---|---|
2000年 | 出来は上々で申し分の無い仕上がり |
2001年 | ここ10年で最高 |
2002年 | 色付きが良く、しっかりとしたボディ |
2003年 | 並外れて素晴らしい年 |
2004年 | 生産者の実力が表れる年 |
2005年 | 59年や64年、76年のように偉大な年の一つ |
2006年 | とてもうまくいった年 |
2007年 | 果実味が豊かでエレガント |
2008年 | フルーツ、フルーツ、フルーツ |
2009年 | 数量は少なく、完璧な品質。桁外れに素晴らしい年 |
2010年 | 果実味豊かで、滑らかでバランスの取れた |
2011年 | 3年連続で、偉大な品質となった |
2012年 | 心地よく、偉大な繊細さと複雑味のある香りを持ち合わせた |
2013年 | 繊細でしっかりとした骨格。美しく複雑なアロマ |
2014年 | エレガントで味わい深く、とてもバランスがよい |
2015年 | 記憶に残る素晴らしい出来栄え |
2016年 | エレガントで、魅惑的なワイン |
2017年 | 豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい |
2018年 | 2017年、2015年、2009年と並び、珠玉のヴィンテージとして歴史に刻まれるでしょう |
2019年 | 有望だが、生産者のテクニックが重要な年 |
2020年 | 非常にバランスが取れた爽やかさのある仕上がり |
2021年 | 挑戦の末たどり着いた、納得のヌーヴォー |
2022年 | 太陽に恵まれたヴィンテージ 果実味とストラクチュアの完璧なバランス |
2023年 | 不明 |
2024年 | 不明 |
出典:https://beaujolais-wines.jp
短くまとめられた言葉からでも、その年の出来がわかりますね。
また、歴代で見てみると2000年からの10年間は当たり年が多いことがキャッチフレーズから読み取れます。
2008年に関しては…もはや素晴らしいのか、ワインかどうかも分からないですね!
2023年や2024年のキャッチコピーはリサーチしたものの発見できませんでした。
公式でも見つけられなかったので未発表かもしれません。
ご存じの方は教えてください!
日本の販売業者の歴代キャッチコピー
※当たり年…赤色 ツッコミ年…青色
年度 | 日本のキャッチコピー |
---|---|
2000年 | 今世紀最後の新酒ワインは色鮮やか、甘みがある味 |
2001年 | ここ10年で最もいい出来栄え |
2002年 | 過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来 |
2003年 | 110年ぶりの当たり年 |
2004年 | 香りが強く中々の出来栄え |
2005年 | タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』 |
2006年 | 今も語り継がれる76年や05年に近い出来 |
2007年 | 柔らかく果実味豊かで上質な味わい |
2008年 | 豊かな果実味と程よい酸味が調和した味 |
2009年 | 過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来 |
2010年 | 2009年と同等の出来 |
2011年 | 100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え |
2012年 | 偉大な繊細さと複雑な香りを持ち合わせ、心地よく、よく熟すことができて健全 |
2013年 | 豊かな香りと、凝縮感のあるフルーティな味わい |
2014年 | ラズベリーを思わせる華やかな香りが溢れる、果実味豊かな味わい |
2015年 | 完熟したチェリーを思わせる「果実味あふれる、まろやかヌーヴォー」 |
2016年 | 採れたての赤いベリー系の果実が口の中で弾けるようなヌーヴォー |
2017年 | 完熟したベリー系の香りがあふれる、風味よくまろやかな味わい |
2018年 | フレッシュないちごと完熟したブルーベリーをバスケットに詰めたような魅力的な香りで、 丸みを帯びたなめらかな味わい |
2019年 | いちごやラズベリーなどの赤い果実のピュアなフレッシュさの中に、 丸みを帯びたエレガントな味わい |
2020年 | ブラックチェリーのような完熟した黒い果実の香りとともに、 心地良い余韻が残る、非常に芳醇な味わい |
2021年 | 採れたてのいちごやチェリーに、そのままかじりついたような味わい |
2022年 | 果肉たっぷりの赤いベリーやいちごの甘酸っぱいジャムを口いっぱいに含んだような味わい |
2023年 | まるで摘みたての赤い果実をそのまま口にほおばったような味わい |
2024年 | 果実がダンス!ジュワっとジューシーな味わい |
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki
https://www.suntory.co.jp
https://www.p-torch.com
2000年前半は公式と同じく端的に表現したものが多め。
ただ、後半は味の解説をしているものが増えており、こちらから「当たり年」を判断するのは難しそうです。
近年は果物の比喩表現が多くなっていますが「フレッシュ」ということしか伝わってきません。
ボジョレーで表現しなくてもそのままいちごやチェリー、ジャムを口に入れたらそれで完結するのでは…。
少し、語るに落ちる点が残念に映ってしまいますね。
話題のワインと言えば、マンガ神の雫で一気に注目を集めたシャトーモンペラ。
ヴィンテージが入手困難になる前に必読です。


【AI予想】2025年ボジョレーヌーボーのキャッチコピー


お待たせしました。
本日のメイン、AIに考えてもらったキャッチコピーを発表します!
前提として以下のような条件を設定しています。
ユニークケースに関してはいくつか考えて貰って面白い回答を紹介します。
また、複雑な指示をすると似た返答しか返さなくなると思うので大雑把なプロンプトにしています。
実際にAIに伝えたプロンプトは以下のとおり。



AIがどんなキャッチコピーを返すのか楽しみ。
2025年ボジョレーヌーボーキャッチコピー(公式版)
当たり年のケース



…「果実の恵みが満ち溢れる、10年に一度の当たり年」
力強さと優美さを兼ね備えた味わい、歴代の名作と並び称される出来栄え。
可もなく不可もなくのケース



…「控えめながら、確かな個性」
派手さはないが、丁寧な造りとバランスの良さが光る。落ち着いた一本。
残念な年のケース



…「自然の厳しさを映した、静かなヴィンテージ」
天候に翻弄された一年で生産者の苦労が滲む、誠実な味わい。
ユニークケースその1



…「霧の朝に摘まれた、夢見るベリーのささやき」
幻想的な香りとほのかな甘み。一口ごとに物語が広がる、ロマンチックなヌーヴォー。
ユニークケースその2



…「SNS映え確定。ボジョレー、今、キマってる。」
見た目も味わいもスタイリッシュ。若者の心をつかむ、話題性抜群の1本。
ユニークケースその3



…「2045年の味覚が、2025年にタイムスリップ」
最先端の醸造技術と自然が融合。まるで未来を飲むような、新感覚ヴィンテージ。
安定の台詞からぶっ飛んだ未来系のフレーズまで飛び出しましたね。
次に、同じように日本版のキャッチコピーをラーニングさせて回答を引き出します。
2025年ボジョレーヌーボーキャッチコピー(日本版)
当たり年のケース



…「瑞々しい果実が弾ける、10年に一度の傑作」
完熟ベリーの凝縮感とエレガンスが共演、記憶に残るヴィンテージ。
可もなく不可もなくのケース



…「穏やかな陽気に育まれた、優しくまろやかな味わい」
派手さはないが、どこかホッとする安心の仕上がり。
残念な年のケース



…「自然の厳しさも、ワインの個性に変えて」
果実味は控えめながら、素朴で親しみやすいテーブルヌーボー。
ユニークケースその1



…「ワイン畑から飛び出した“果実のマーチ”」
チェリーやいちごが楽しげに踊りだす、愉快で陽気な一杯。
ユニークケースその2



…「“もしも赤い果実が恋をしたら”——そんな味」
香りも甘酸っぱさも、まるで恋の始まりのようなドキドキ感。
ユニークケースその3



…「ボジョレー星からやってきた、ジューシー星人」
地球では味わえない⁉ 想像を超えるジューシーな衝撃。
こちらもなかなかの秀逸さを見せたAI先生でしたね。
2025年の本物キャッチコピーがどうなるかはまだまだ先のことでわかりません。
でも、こうやって予想するだけでもワクワクしますよね。
コピーの背景にある意図やセンスを知ることで、ただ飲むだけでは味わえない「楽しさ」が増していきます。
もはや人間の出る幕はないのかも?



実際に似たような表現が出たら、公式でもAIが採用されているかもしれませんよ!
当たり年のボジョレーは買えるのか


上述したように、ボジョレー・ヌーヴォーはその年のブドウを使った”新酒”を楽しむためのワイン。
そのため熟成させずに買ったらすぐ飲むべきなのですが、中には熟成させることで違った味わいを持つボジョレーも存在します。
古いものはほとんど市場に出回りませんが、最も近い当たり年である2022年ものは見つけました。
せっかくなのでご紹介しておきます。


まだボジョレーを飲んだことがない方は。
最近の2024年ものをぜひお試しください。


因みに日本で最も手に入りにくいと言えばドメーヌタカヒコ。
基本的には酒屋さんや飲食店に回っても常連さんたちで消費されるためお目にかかる機会すらないでしょう。
そこで取引先を徹底リサーチ、一般にも抽選しているお店や試飲会イベントなどをまとめました。
こちらを読めば入手確率は格段にUPしますよ!


知っておきたいボジョレーヌーボーのこと


ボジョレーヌーボーって名前は聞いたことがあっても「ワインとどう違うの?」「なんで特別なの?」と思っている人も多いかもしれません。
そこで“今さら聞けない”基本情報をまとめておきます。
「ボジョレー・ヌーボー」の名前の意味
「ボジョレーヌーボー」という言葉は、ふたつの意味を持つ言葉がくっついています。
つまり、ボジョレーヌーボーはボジョレー地区でその年に収穫されたブドウを使った“新酒”ということなんです。
そのためボジョレーヌーボーは普通のワインよりもフレッシュで軽やかな味わいが特徴的。
ワインの生まれたてを味わえる、ちょっと特別な存在です。
≪ボジョレーと一般的なワインの違い≫
ボジョレーヌーボー | 一般的なワイン |
---|---|
≪熟成期間≫ 数週間〜1ヶ月程度。収穫からすぐ出荷される新酒。 | ≪熟成期間≫ 数ヶ月〜数年かけてじっくり熟成される。 |
≪味わい≫ フレッシュで軽やか。果実の香りが強く飲みやすい。 | ≪味わい≫ コクや深みがあり、複雑な風味が楽しめる。 |
≪飲み頃≫ 発売直後がピーク。できたてを味わうお祭り的存在。 | ≪飲み頃≫ 熟成が進むことで風味が変化し、寝かせて楽しむことも。 |
≪解禁日≫ 毎年11月第3木曜日に解禁される。 | ≪解禁日≫ 特に決まりはなく、ワイナリーごとに異なる。 |
よくあるボジョレーQ&A
このようにボジョレーヌーボーは「知れば知るほど面白い」存在で特別な知識がなくても、気軽にワインを楽しむきっかけになります。
一度飲んでみると「あ、こういうワインもアリだな」と感じるはず。
特に、普段あまりお酒を飲まない人でも果実感のある飲みやすさにハマる人も多いんですよ。
【まとめ】ボジョレーヌーボーのキャッチコピーは秀逸
ボジョレーヌーボーはワインそのものだけでなく、毎年のキャッチコピーを楽しむ文化でもあります。
だからこそ「今年はどんな言葉で語られるのか?」とワクワクする人が増えているのです。
2025年のキャッチコピーはまだ正式には発表されていません。
しかしこれまでの流れを知っていれば「今年もやっぱり派手だな」と思ったり「今年は少し控えめだな」と感じたり。
言葉の裏にある“空気感”も楽しめるようになります。
2025年のボジョレー解禁日はまだまだ先ですが期待をしつつ、ちょっと違う視点で楽しんでみませんか?
宜しければこちらの記事もご拝読ください。



