ワイン好きなら一度は耳にしたことがある「アマローネ」。
ひとことでアマローネと言っても数々の名門ワイナリーが手がけており、種類も豊富です。
しかしながら、詳しく解説しているような情報はほとんど見かけません。
mikuそこでアマローネで有名なワイナリーをピックアップ、徹底的に調べ上げました。
ワインの世界は複雑に見えますが、実はポイントさえ押さえれば初心者でも楽しめます。
読み終える頃には「どの年、どの造り手のアマローネを選べばいいのか」迷わず選ぶことができるでしょう。
当たり年といえば、こちらのワインもおすすめですよ。




アマローネの当たり年はいつ?気候から見る良年の特徴


結論からいえば、2016年・2015年・2010年などは多くの専門家や愛好家から「良年」として高く評価されています。
しかしこれらは「気候から見た場合」の評価です。
まずはなぜこれらの年が特別とされるのか、その理由をご説明します。
アマローネの気候で変わるスタイル
アマローネは特定の地域で生産されるブドウを陰干しして造られるワインのこと。
この陰干し工程で糖度や風味が凝縮されるため、気候条件が味に直結します。
2016年は非常にバランスの良い年に
2016年のヴェネト州は春先に適度な雨があり、ブドウの生育は順調にスタートしました。
夏は暑すぎず日照と冷涼な夜風のバランスが取れていたため、ブドウにとって良好な環境となり、じっくりと成熟。
秋口にかけても極端な高温や豪雨に見舞われることがなく、全体的に安定した気候が続きました。
その結果、収穫されたブドウは酸と糖度のバランスが理想的とされています。
2015年は果実味豊かでパワフル
2015年はヴェネト州全体で暑く乾燥した気候が顕著だった年です。
春から夏にかけて高温の日が続き、降水量も少なかったためブドウはよく熟し、濃厚な果実味と力強いアルコール感を持つ仕上がりに。
とくに糖度の高さと果皮の厚さが際立ち、アマローネに必要な凝縮感を十分に備えた果実が得られています。
同時に乾燥した気候により病害が少なかったため、全体的に品質のばらつきが少なく、ワイナリーを問わず安定して高い水準に達しました。
2010年はエレガントで複雑な仕上がり
2010年のヴェネト州は、全体的に冷涼で雨も適度にあった年でした。
夏の気温は例年に比べて穏やかで、収穫期にかけても極端な高温に見舞われることがなく、ブドウは時間をかけてゆっくりと成熟。
その結果アマローネに仕上げると、エレガントで複雑な味わいが際立ちます。
果実の凝縮感はやや落ち着いているものの、赤系果実やドライフルーツに加えてスパイスやハーブ、土壌由来のミネラル感が感じられるのが特徴。
余韻も長く、飲み進めるごとに多層的な香りと味わいが開いていきます。
ただし、この当たり年はアマローネすべてに当てはまるわけではありません。
その理由を説明するにはアマローネについて正しく認識する必要があります。
アマローネは地域と製法による特定ワインの呼称
アマローネはイタリア・ヴェネト州のヴァルポリチェッラ地域で、アパッシメント製法を使って造られた特定のワインの呼称です。
例えるなら「シャンパン」が分かりやすいかもしれません。
シャンパンはフランス・シャンパーニュ地方の伝統製法で造られたものだけが使える名称です。
それと同じように、地域+製法を兼ねた呼び名がアマローネとなります。



つまりアマローネの当たり年=シャンパンの当たり年を広義で調べているのと同じなんですね。
地域の気候も大切な要素ですが、最終的に味わいを決めるのは各ワイナリーの出来栄えです。
同じヴァルポリチェッラ地域であっても、畑の立地や標高、日照条件によってブドウの仕上がりは大きく変わります。
さらにアパッシメントの乾燥期間の長さや温度管理、樽の使い方など、ワイナリーごとの技術や哲学が「当たり年」を生み出すポイント。
そのため最も重要なのは各ワイナリーの当たり年を知ることです。
アマローネの品種とおすすめワイナリー


アマローネを語るときに欠かせないのが、どんなブドウから造られているのか、そしてどのワイナリーがその魅力を最大限に引き出しているのかという点です。
上述したように、アマローネにはシャンパンと同じく「地域と製法の指定」があり、使えるブドウ品種も決まっています。
そのため品種の特徴を知ることは、味わいを理解するうえでとても大切なこと。
まずは、アマローネに使われる主要品種について軽く触れておきましょう。
アマローネのブドウ品種
アマローネは基本的には単一畑のブドウではなく、複数の畑・複数の品種をブレンドして造られるワイン。
主にコルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラといった品種を陰干ししてブレンドします。
【アマローネ主要品種一覧】
| 品種名 | 特徴まとめ |
|---|---|
| コルヴィーナ(Corvina) | アマローネの主体品種(40〜70%)。 チェリーやプラムの果実味を生み、骨格と熟成力を支える。酸を保持しやすく全体のバランスを整える。 |
| ロンディネッラ(Rondinella) | 補助品種。 ハーブやスパイスのニュアンスを加え、軽やかさを演出。病害に強く、安定した収穫をもたらす。 |
| モリナーラ(Molinara) | かつて多用されたが現在は少なめ。 フレッシュな酸味とほのかな塩味を与える。現代では補助的な役割に。 |
| コルヴィノーネ(Corvinone) | コルヴィーナに似た補助品種。 果実味の厚みとボディ感を増強。粒が大きく果皮が厚いため、力強い味わいに。 |
| オゼレータ(Oseleta) | 近年復活した古代品種。 色合いを濃くし、タンニンと構造を強める。高級アマローネで使われることが多い。 |
こうして見てみると、アマローネは複数のブドウが互いに役割を果たしながら調和していることが分かります。
主役のコルヴィーナに加えて補助品種が酸や香り、色合いを支えることで、独特の奥行きと複雑さが生まれるのです。
アマローネのおすすめワイナリー7選
当たり年の前に「どのワイナリーを選べばよいのか」気になる方も多いでしょう。
アマローネは多くの造り手がいますが、特におすすめできるのは以下のワイナリーです。
【アマローネおすすめワイナリーと取扱い状況】
| ワイナリーと特徴 | 取扱い状況(ECサイト) |
|---|---|
| ≪ルイジ・リゲッティ≫ ◎初心者向け 手に取りやすい価格帯で「アマローネ入門」に最適な造り手。コスパの高さが魅力。 【度数】:約15% 【味わいの特徴】 渋み ★★☆☆☆ 濃さ ★★★☆☆ 酸味 ★★★☆☆ 熟成感 ★★☆☆☆ | 取扱い |
| ≪ベルターニ≫ ◎中級者向け 伝統派の代表格。クラシックな重厚感が特徴。 【度数】:約15% 【味わいの特徴】 渋み ★★★★☆ 濃さ ★★★★☆ 酸味 ★★★☆☆ 熟成感 ★★★★★ | 取扱い |
| ≪マァジ≫ ◎初心者〜中級者向け 世界にアマローネを広めたパイオニア的存在。王道の一本を味わえる。 【度数】:約15% 【味わいの特徴】 渋み ★★☆☆☆ 濃さ ★★★☆☆ 酸味 ★★★☆☆ 熟成感 ★★★☆☆ | 取扱い |
| ≪アレグリーニ≫ ◎初心者〜中級者向け 華やかでモダンなスタイル。初心者にも飲みやすい。 【度数】:約16% 【味わいの特徴】 渋み ★★★☆☆ 濃さ ★★★★☆ 酸味 ★★★☆☆ 熟成感 ★★★★☆ | 取扱い |
| ≪ラルコ≫ ◎中級者〜上級者向け クインタレッリ直系の教えを受け継ぐ新世代。伝統とモダンの橋渡しをする存在。 【度数】:約16% 【味わいの特徴】 渋み ★★☆☆☆ 濃さ ★★☆☆☆ 酸味 ★★★☆☆ 熟成感 ★★☆☆☆ | 取扱い |
| ≪ダル・フォルノ・ロマーノ≫ ◎上級者向け モダン・アマローネの頂点。凝縮感と圧倒的なパワーで知られる高級ワイナリー。 【度数】:約16.5% 【味わいの特徴】 渋み ★★★★★ 濃さ ★★★★★ 酸味 ★★★☆☆ 熟成感 ★★★★★ | 取扱い |
| ≪ジュゼッペ・クインタレッリ≫ ◎上級者向け 「アマローネの神様」。伝統的で比類なき品質を誇り、世界のワイン愛好家にとって憧れの存在。非常に高価かつ入手困難。 【度数】:約16.5% 【味わいの特徴】 渋み ★★★☆☆ 濃さ ★★★★☆ 酸味 ★★★☆☆ 熟成感 ★★★★★ | 取扱い |
本来であれば3つ程度に厳選が理想ですが、アマローネは生産者ごとに入手難易度が異なります。
そのため世界的に有名なワイナリーと、比較的入手のしやすいワイナリーを取り上げてみました。
それぞれのワイナリーにはスタイルの違いがあります。
初心者はまずコスパや入手しやすさを重視し、中級者以上はスタイルや哲学の違いを楽しむと良いでしょう。
陰干し製法ということもあって度数が高いアマローネは飲む量にも注意が必要です。
適量の目安はこちらで解説していますのでご覧ください。


アマローネの値段目安や相場


アマローネは一般的な赤ワインに比べて価格帯が高め。
その理由はブドウを陰干しする手間のかかる製法や、長期熟成に耐えうる品種を用いる点にあります。
あらかじめ相場感を押さえておけば、購入時にも迷わず選びやすくなりますよ。
アマローネの価格帯の目安
各ワイナリーのアマローネは、おおまかに次のように分けられます。
このように、アマローネは「安いものでも5,000円程度」が一般的。
アマローネの価格帯に関しては、ある程度「値段相場=手間と品質」に比例していると考えてよいでしょう。
ルイジ・リゲッティはコスパの良さで知られ、入門として多くの人に選ばれています。
一方で、ベルターニやアレグリーニは伝統や革新のスタイルを反映した一本を提供しており、価格帯に見合う満足感。
ダル・フォルノ・ロマーノやクインタレッリは、その希少性と完成度から「アマローネの最高峰」として別格の位置づけです。
予算やレベルに合わせて「入門 → 王道 → 高級レンジ」とステップを踏むように選べば失敗しにくくなりますよ。
アマローネはカルディでも取扱いがある?
結論を先に言うと、カルディでアマローネが置かれることは稀で、もしあったとしても品揃えは非常に限られています。
理由は、カルディはイタリアワインの中でも親しみやすい品を中心に取扱うためです。
アマローネのような高価格帯のワインはあまり一般的ではありません。



実際に店舗をチェックしたところ1種類だけありましたが、おすすめワイナリーのものではありませんでした。
さらに当たり年となると、入手確率はほぼゼロに近いレベルです。
立ち寄るついでにカルディで探すのはいいですが、確実に手に入れたいならECサイトや専門店で探すのが現実的でしょう。
カルディのおすすめはこちらにまとめています。


アマローネの当たり年をワイナリー(フラグシップ)ごとに完全攻略


お待たせしました、ここからが本題の「当たり年」についてです。
私がおすすめする7つのワイナリー(フラグシップ)、それぞれを徹底リサーチした結果をお届けします。
気候から見た当たり年「2016年・2015年・2010年」の年代も確かに選ばれているヴィンテージがあり、あながち間違っていません。
今回は紹介する品が多いため一部の年代を参考としての提示に留めますが、ご了承ください。
また、国内流通の確認できないアマローネは、代わりのヴィンテージをおすすめしています。
ルイジ・リゲッティ|コスパを追求した現代の開拓者
初心者向き、かつコスパのいいルイジ・リゲッティ。
フラグシップは「Luigi Righetti Amarone della Valpolicella Classico」です。
当たり年は「2019年」であり、続いて「2020年・2018年」が高い評価を得ています。
【ルイジ・リゲッティ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコの当たり年】
| 年代 | 評価・件数 | 取扱い (ECサイト) |
|---|---|---|
| 2023 | ― | ― |
| 2022 | ― | ― |
| 2021 | 4.0(約660件) | |
| 2020 | 4.1(約1190件) | |
| 2019 | 4.2(約1250件) | |
| 2018 | 4.0(約2220件) | |
| 2017 | 4.0(約1570件) | |
| 2016 | 4.0(約1790件) | |
| 2015 | 3.9(約3030件) |
比較的安定した評価を得ているルイジ・リゲッティですが、最近のヴィンテージが高い評価を受けていることがわかります。
手頃ながらクオリティの高さを実感できるため「価格以上の満足感」であれば、2019年・2020年がおすすめです。
ルイジ・リゲッティ 2019|フレッシュな若々しさ
ルイジ・リゲッティ 2020|親しみやすい果実味
ベルターニ|アマローネの始祖
伝統派の代表格ベルターニは、冷涼で酸がしっかり残る年に評価が高いワイナリー。
フラグシップは「Bertani Amarone della Valpolicella Classico」です。
ベルターニの高評価は2000年以前に集中していますが、評価件数が少なく信頼性はイマイチ。
多くの件数、かつ高い評価という側面から「2004年・2007年・2009年」が当たり年といえるでしょう。
【ベルターニ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコの当たり年】
| 年代 | 評価・件数 | 取扱い (ECサイト) |
|---|---|---|
| 2012 | 4.3 (約1350件) | |
| 2011 | 4.3 (約1280件) | |
| 2010 | 4.4 (約1110件) | |
| 2009 | 4.4 (約1990件) | |
| 2008 | 4.4 (約1800件) | |
| 2007 | 4.4 (約2620件) | |
| 2006 | 4.4 (約2260件) | |
| 2004 | 4.5 (約1210件) | |
| 2003 | 4.5 (約710件) | |
| 1997 | 4.6 (約280件) | |
| 1996 | 4.7 (約110件) | |
| 1993 | 4.6 (約90件) | |
| 1990 | 4.7 (約170件) | |
| 1989 | 4.8 (約30件) | |
| 1981 | 4.6(約130件) |
ただし、これらのように10年以上経過しているヴィンテージの入手難易度は高め。
熟成期間と希少性から価格帯も上昇しています。
比較的在庫のある2012年などは安定した価格帯、かつ高評価なので狙い目でしょう。
ベルターニ 2004|重厚な熟成感
ベルターニ 2007|王道のバランス
ベルターニ 2012|柔らかで上品
マァジ|アマローネを世界に広めたパイオニア
マァジは「安定感」で知られる造り手で、どの年も一定の品質を保つのが特徴的。
フラグシップは「Masi Costasera Amarone della Valpolicella Classico」です。
世界的に有名なこともあり、多くの評価が集まっています。
中でも信頼性のある当たり年は10,000件を超える「2012年」、続いて「2015年・2011年」となっています。
ただし、マァジは日本での流通がかなり少なく、選べるほどのヴィンテージがありません。
【マァジ コスタセーラ・アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコの当たり年】
| 年代 | 評価・件数 | 取扱い (ECサイト) |
|---|---|---|
| 2018 | 4.4 (約5330件) | |
| 2016 | 4.4 (約8080件) | |
| 2015 | 4.4 (約14370件) | |
| 2013 | 4.4 (約9690件) | |
| 2012 | 4.4 (約16800件) | |
| 2011 | 4.3 (約11580件) | |
| 2010 | 4.3 (約7490件) | |
| 2009 | 4.3 (約5540件) | |
| 2008 | 4.3 (約6260件) | |
| 2002 | 4.5 (約35件) | |
| 1997 | 4.5 (約720件) |
現時点でなんとか入手できる2018年も同じく高評価のため、試してみたいという方はお早めにどうぞ。
マァジ 2018|安定の飲みやすさ
アレグリーニ|アマローネの革新者
モダン派を代表するアレグリーニは、果実味が際立つ暑い年に注目が集まります。
フラグシップは「Allegrini Amarone della Valpolicella Classico」です。
気になる当たり年ですが、件数も加味すると「2010年・2011年・2016年」が有力。
しかし、マァジ同様に取扱いがほとんどなく、入手困難となっています。
【アレグリーニ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコの当たり年】
| 年代 | 評価・件数 | 取扱い (ECサイト) |
|---|---|---|
| 2019 | 4.3 (約1140件) | |
| 2018 | 4.4 (約1720件) | |
| 2017 | 4.3 (約2010件) | |
| 2016 | 4.4 (約1790件) | |
| 2015 | 4.3 (約2590件) | |
| 2012 | 4.3 (約2550件) | |
| 2011 | 4.4 (約2060件) | |
| 2010 | 4.4 (約2070件) | |
| 2009 | 4.3 (約2340件) | |
| 2008 | 4.3 (約1550件) | |
| 2004 | 4.4 (約470件) | |
| 2001 | 4.4 (約350件) | |
| 2000 | 4.4 (約350件) | |
| 1999 | 4.5 (約260件) | |
| 1997 | 4.4 (約380件) |
唯一の救いは表示を省いた年代でも4.2や4.3といった高評価が多く、アレグリーニは品質に大きなブレがないこと。
そのためハズレ年などを選んでしまう可能性も低いと予想されます。
入手のしやすさと価格帯を考慮すると2019年、バックヴィンテージなら2001年が狙い目といえるでしょう。
アレグリーニ 2001|気品ある長熟
アレグリーニ 2019|華やかな果実味
ジュゼッペ・クインタレッリ|アマローネの神様
「アマローネの神様」と呼ばれるクインタレッリは、どの年も4.5以上を獲得しており高評価。
フラグシップは「Quintarelli Giuseppe Amarone della Valpolicella Classico」です。
イタリア語の本来の順序は「Giuseppe Quintarelli」なのですが、海外サイト表記では「Quintarelli Giuseppe」と姓を先に書く場合も。
当たり年は「2003年」、続いて「2006年・2007年」でしょう。
ただし、クインタレッリも国内流通は少なく入手が難しいアマローネの一つです。
| 年代 | 評価・件数 | 取扱い (ECサイト) |
|---|---|---|
| 2017 | 4.6 (約180件) | |
| 2015 | 4.6 (約390件) | |
| 2013 | 4.7 (約660件) | |
| 2012 | 4.7 (約609件) | |
| 2011 | 4.7 (約691件) | |
| 2009 | 4.7 (約1050件) | |
| 2007 | 4.7 (約1130件) | |
| 2006 | 4.7 (約1080件) | |
| 2004 | 4.7 (約880件) | |
| 2003 | 4.8 (約920件) | |
| 2000 | 4.7 (約980件) | |
| 1998 | 4.7 (約560件) | |
| 1997 | 4.7 (約260件) |
大手ECサイトでも3点しか確認できていませんが、いずれも高評価は得ているので代案の2013年・2015年でも充分なクオリティーといえます。
ジュゼッペ・クインタレッリ 2013|優美で繊細
ジュゼッペ・クインタレッリ 2015|力強くエレガント
ダル・フォルノ・ロマーノ|モダン・アマローネの頂点
圧倒的な凝縮感で知られるダル・フォルノ・ロマーノ。
クインタレッリと並ぶ高級アマローネであり、その平均評価は4.7と頂点にふさわしい仕上がりです。
フラグシップは「Dal Forno Romano Amarone della Valpolicella Vigneto di Monte Lodoletta」。
当たり年は件数を考慮すると「2006年・2008年・2011年」が有力となっています。
【ダル・フォルノ・ロマーノ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ ヴィニェート・ディ・モンテ・ロドレッタの当たり年】
| 年代 | 評価・件数 | 取扱い (ECサイト) |
|---|---|---|
| 2013 | 4.6 (約663件) | |
| 2012 | 4.7 (約448件) | |
| 2011 | 4.7 (約883件) | |
| 2010 | 4.7 (約598件) | |
| 2009 | 4.7 (約703件) | |
| 2008 | 4.7 (約1150件) | |
| 2006 | 4.7 (約1410件) | |
| 2004 | 4.7 (約346件) | |
| 2003 | 4.7 (約387件) | |
| 2002 | 4.7 (約243件) | |
| 2001 | 4.7 (約291件) | |
| 2000 | 4.7 (約302件) | |
| 1999 | 4.7 (約220件) | |
| 1997 | 4.8 (約134件) | |
| 1996 | 4.8 (約107件) |
ダル・フォルノ・ロマーノは熟成を経て真価が発揮されるため、必然的に古いヴィンテージが多くなり、比例して価格帯も上昇します。
評価とコスパの観点から2008年、2013年がおすすめといえるでしょう。
ダル フォルノ ロマーノ 2008年|帝王の濃厚感
ダル フォルノ ロマーノ 2013年|堂々たる存在感
ラルコ|アマローネの架け橋
クインタレッリ直系の哲学を受け継ぐラルコは高品質を目指す少量生産のワイナリー。
フラグシップは「L’Arco Amarone della Valpolicella Classico」。
伝統とモダンの“いいとこ取り”を楽しみたい人にはおすすめのアマローネですが、小規模で流通も限られていることから評価も少なめ。
当たり年は「2015年・2016年・2017年」が有力ですが、大手ECの取扱いがことごとくありません。
【ラルコ アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ クラッシコの当たり年】
| 年代 | 評価・件数 | 取扱い (ECサイト) |
|---|---|---|
| 2019 | 4.4 (約40件) | |
| 2017 | 4.5 (約130件) | |
| 2016 | 4.5 (約100件) | |
| 2015 | 4.5 (約240件) | |
| 2013 | 4.4 (約80件) | |
| 2011 | 4.4 (約190件) | |
| 2008 | 4.4 (約80件) |
ほとんど取扱いがない中で、わずかに2019年のものがあったため掲載しておきます。
ラルコは他のワイナリーと比べても近年注目を集めているので、試してみたい方はお早めに。
ラルコ 2019年|軽やかで親しみやすい
アマローネとヴァルポリチェッラの違いとは


アマローネを調べていると、必ず出てくるのが「ヴァルポリチェッラ」という名前です。
同じように見えるこの2つですが、実際には意味や立ち位置が異なるもの。
ここではその違いを整理してわかりやすく解説していきます。
ヴァルポリチェッラは地域名としての意味
まず基本となるのが「ヴァルポリチェッラは地域名」という点です。
イタリア北部ヴェネト州のヴェローナ近郊に広がる丘陵地帯がヴァルポリチェッラ。
この地で造られるワインたちを総称して「ヴァルポリチェッラ」と呼ばれ、地域の中でもさらにいくつかのサブゾーンに分かれています。
たとえば「クラッシコ地域」は古くからブドウが栽培されてきた中心地で、アマローネを含む上級ワインも多く生まれるエリアです。
つまり「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ」という名称は、“ヴァルポリチェッラのクラッシコ地区で造られたアマローネ” を意味しています。
このようにヴァルポリチェッラは「産地の名前」として機能しており、ブルゴーニュやボルドーといった地域名と同じように理解すればわかりやすいでしょう。
ワインのスタイルを表す「ヴァルポリチェッラ」
一方で「ヴァルポリチェッラ」という言葉は、単なる地名の呼び方にとどまりません。
ワインの世界では、その地域全体を代表するブランド的な意味合いを持ち、スタイルの多様性を示すキーワードにもなっています。
たとえば、軽やかで日常的に楽しまれるタイプから、陰干しによって造られる濃厚で高級感のあるアマローネ、さらには甘口のレチョートまで。
幅広い表現や表情を持ち合わせています。
【ヴァルポリチェッラの主なカテゴリー】
■ヴァルポリチェッラ
⇒軽やかでフレッシュな赤ワイン。日常的に飲まれることが多い。
■ヴァルポリチェッラ・クラッシコ
⇒伝統的な地域(クラッシコ地区)で造られた格上ワイン。より土壌や気候の個性が出る。
■リパッソ(ヴァルポリチェッラ・リパッソ)
⇒発酵後のアマローネの搾りかすを加えて再発酵させる製法。濃厚さが増し、価格的にも手頃で人気。
■アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ
⇒陰干ししたブドウを使い、濃厚でパワフルなスタイルに仕上げた上級ワイン。
■レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ
⇒同じく陰干しブドウを使うが、発酵を途中で止めて甘口に仕上げたデザートワイン。
このように、ヴァルポリチェッラという言葉は「産地全体のワイン」を表すだけでなく、「その産地におけるワインスタイルの総称」としても用いられています。
ワイン初心者にとっても、まずこの分類を知っておくとボトル選びの基準や味わいのイメージがつかみやすくなるでしょう。
【まとめ】アマローネの当たり年とおすすめワイナリーを押さえて楽しもう
アマローネは、陰干しという独特の製法から生まれるイタリアを代表する赤ワイン。
その魅力を堪能するには、「当たり年」と「ワイナリー」の両方を意識することが大切だとご理解いただけたのではないでしょうか。
ここまで解説してきたポイントを振り返りながら、アマローネについて整理してみましょう。
【アマローネの当たり年まとめ】
・気候から見た当たり年は「2015年・2016年・2010年」
・アマローネは特定地域と「陰干し製法」を用いた上級ワインのこと
・アマローネの主要品種はコルヴィーナでロンディネッラやモリナーラが補助
・入門向けならルイジ・リゲッティ、当たり年は「2019年・2020年・2018年」
・濃密で力強い果実味はアレグリーニ、当たり年は「2010年・2011年・2016年」
・安定と飲みやすさならマァジ、当たり年は「2012年・2015年・2011年」
・クラシックなアマローネの王道ならベルターニ、当たり年は「2004年・2007年・2009年」
・濃厚な力強さはダル・フォルノ・ロマーノ、当たり年は「2006年・2008年・2011年」
・繊細でエレガントなクインタレッリの当たり年は「2003年・2006年・2007年」
・クインタレッリを継ぐ軽やかさとカジュアル感ならラルコ、当たり年は「2015年・2016年・2017年」
・相場はワイナリーで異なり、5,000円~数万円と幅広い
・ヴァルポリチェッラは地域名かつ、その産地におけるワインスタイルの総称であり、その中の一つにアマローネは位置づけられる
アマローネは、知れば知るほど奥深いワインです。
気候ごとの当たり年の違い、ワイナリーごとの哲学、そして価格帯の幅広さ。
これらを踏まえて選べば、きっとあなたにとって忘れられない一本に出会えるはずです。
宜しければこちらもご覧ください。








