スーパーでよく見かけるメルシャンのワイン。
ワンコイン程度の価格帯で、お財布にもやさしいのですが、その安さゆえに一つの疑問が生まれます。
ナナシー…なぜこんなに手ごろなの?



本当に大丈夫なのか…?
安いものには理由がある。
でも、その理由が分からないと、少し不安に感じてしまいますよね。
本記事では、メルシャンワインの中でも人気の高い「酸化防止剤無添加シリーズ」に注目し、その理由をリサーチしてみました。
私を含む実際に飲んだ人の口コミをはじめ、改めて「メルシャン」という会社についてまとめてみました。
ではまず、最も気になる「メルシャンのワインはなぜ安いのか?」から見ていきましょう。
メルシャンの酸化防止剤無添加ワインはなぜ安いのか?


手ごろな価格帯の背景には、ちゃんとした理由と仕組みがあります。
ここでは、メルシャンがどのようにして安定した品質のワインを手に取りやすい価格で届けているのか。
3つのポイントからまとめました。
ブドウの濃縮果汁が使われている



手ごろなワインには、「濃縮ぶどう果汁」が使われていることが多いです。
ここで大切なのは、濃縮果汁=悪いという意味ではないということ。
ワインの世界ではよくある方法で、特にコストを抑えたい商品では一般的な製法なんです。
濃縮果汁は、ぶどうをジュース状にして水分だけを飛ばしたもの。
この方法なら物量は減り、コンパクトになるため、海を越えて輸送する時のコストが大きく下がります。
輸送費が下がると価格帯も自然と抑えられる、という仕組み。
また、近年では発酵技術が進んでおり、濃縮果汁でも十分に香りのあるワインが作れるようになっています。
そのため、身近な価格帯で飲みやすいワインの実現が可能となっています。
海外産の原料・人件費でコストを削減



メルシャンでは、南米(チリなど)のぶどうも多く使われています。
南米産のぶどうがよく利用される理由は、ぶどうそのものの価格帯が抑えられるため。
南米は広い土地と温暖な気候を生かし、大量にぶどうを育てることができます。
また、日本よりも農地コストや人件費が低いため、ぶどうにかかる費用も削減可能。
その結果、日本でワインを作るよりも原料費を安くできることが多いです。
「安いけど、大丈夫?」
と不安に思う人もいますが、もちろん品質はしっかりと管理。
メルシャン独自の基準をクリアした原料だけが使われています。
大量生産と大手ならではの設備・技術でコストを抑えている



メルシャンは国内でも大きなワインメーカー、大量に生産できる設備を持っています。
まとめてワインを造ることで、1本あたりのコストを抑え、手に取りやすい価格帯で提供を実現しています。
また、一般的なワインと比べると、酸化防止剤無添加のワインは扱いが難しいもの。
しかし、メルシャンなら酸素に触れにくい製造ラインや温度管理された設備により、品質を保ちつつ安定して作ることができます。
加えて、スーパーやコンビニなど幅広い販売ルートにより在庫のムダが出にくい点もポイント。
これら、あらゆる施策がコスト削減に繋がっていると考えられます。
ちなみに、手頃で飲みやすいワインとしては、通販専門のベルーナもよく比較されます。
安さの理由や味わいが気になる方は、こちらの記事もおすすめです。


メルシャン「酸化防止剤無添加」シリーズの特徴


メルシャンといえば、スーパーでもよく見かけるワインの一つですよね
その中でも「酸化防止剤無添加シリーズ」は、香りや風味の自然さを求める人に人気があります。
ここでは、無添加シリーズの特徴を3つのポイントに分けて紹介します。
酸化防止剤無添加ワインならではの造りと風味の違い
「酸化防止剤無添加」と聞くと、何となく“体にやさしそう”というイメージを持つ人もいますよね。
確かに間違いではないですが、より注目してほしいのは、その無添加を実現している造り方です。
一般的なワインづくりでは、ワインが空気に触れて変化しすぎないように酸化防止剤が使われることがあります。
一方、無添加シリーズではこの工程を行わないため、ぶどうの状態管理やタンクの衛生管理がとても重要。
これらは次のような工夫が行われています。
これらの積み重ねによって、ぶどう本来の風味に近い“やさしい香り”や“自然な味わい”が楽しめるワインに仕上がります。
ただし、酸化防止剤無添加のワインは開封後に変化が早いため、2~3日のうちに飲むのがおすすめです。
飲みやすさと味わいの特徴
メルシャンのデイリーシリーズは、とにかく“飲みやすさ”にこだわったワイン。
多くの人に好まれる理由は、クセの少ない飲みやすさにあります。
香りがやわらかく、果実そのものの甘みや酸味が感じやすいため、軽めのワインが好きな人にぴったりです。
≪無添加シリーズ(赤・白)の特徴≫
| 赤ワイン | 白ワイン |
|---|---|
| ・ベリー系のやさしい果実味 ・渋み控えめで飲みやすい ・落ち着いた香りでやさしい ・口当たり軽やか ・余韻短めで軽快、デイリー向き | ・りんごや柑橘の軽やかな果実味 ・渋さ少なめでスッキリ ・爽やかでフレッシュな香り ・すっきりとした口当たり ・キレが良く、食事に合わせやすい |
赤は「軽めで飲みやすいタイプ」、白は「フルーティーでスッキリ」という印象が強く、普段あまりワインを飲まない人でも手に取りやすい味わいです。
また、香りが強すぎないため、シーンを選ばず楽しめるのも魅力のひとつ。
“家で気軽に開けたいワイン”として長く愛されているのもよく分かります。
料理とのペアリング
これらのワインはは味わいがやさしいので、料理を選ばず合わせやすいのが特徴です。
ほどよい果実味と軽やかな口当たりが、日常的なメニューと自然になじみます。
相性の良い料理の例は以下のとおり。
全体的に「味が濃すぎない料理」「家庭料理」と特に相性が良く、食卓のど真ん中に置ける万能タイプと言えます。
また、辛すぎる料理やスパイスが強すぎる料理より、やさしい味付けのメニューとの組み合わせがより引き立つでしょう。
普段の晩ごはんから週末の軽い一品まで、場面を問わず気軽に楽しめるのが魅力です。
実際どうなの?メルシャンおいしいワインの口コミ





個人的には飲みやすいし、この価格帯ならすごいと感じています。
ここでは実際に飲んだ人の声をもとに、よく見られる「良い口コミ」と「悪い口コミ」をまとめました。
どちらも知っておくことで、自分の好みに合う1本を選びやすくなりますよ。
良い口コミ|飲みやすくてコスパ最強
良い口コミでは、「普段飲みにぴったり」という声がとても多く見られます。
目立つ意見は次のとおりです。
参考:楽天みんなのレビュー
どのラインナップの商品をチェックしても、★4.0以上と高評価を獲得。
「飲みやすく、スッと入ってくる」という声も多数寄せられていました。
ワインが苦手な人の“入り口”になっているようです。
良い口コミをまとめると、「軽くて飲みやすい」「クセがなく親しみやすい」「コスパが良い」という評価が中心になっています。
悪い口コミ|薄い・軽いと感じる
次は、やや厳しめの声を見ていきましょう。
メルシャンのワインの中でも、特に500円台〜1000円未満のラインは、「軽い」「薄い」と感じる人が一定数いるようです。
参考:X
これは、メルシャンに限らずデイリーワイン全体に共通する傾向です。
価格帯をおさえたワインは、しっかりした渋みや濃厚さを目指すよりも、日常的に飲みやすい味わいで造られることが多いもの。
そのため、濃い味わいや重たい赤がお好きな人にとっては、「ちょっと物足りない」と感じる可能性があります。
しかしご安心を。
メルシャンの中には、濃厚さや深みを求めるワイン愛好家でも思わず唸るようなワンランク上のシリーズが存在します。
次の章では、「ハズレが少ない」「贈り物にも使える」と評判のシャトー・メルシャンを厳選してご紹介します。
どれを選べばハズレない?ワンランク上のメルシャンワイン3選


これまでの内容から、メルシャンと言えば「安くて飲みやすさ重視」というイメージが先行しますよね。
しかし、実はその枠を大きく超える“特別な1本”もあることをご存知でしょうか。
あまり知られていませんが、デイリー向けとは別に、国内外のコンクールで高い評価を受け続けている本格的なワインがあります。
所有畑の中には「世界のワイナリーTOP50」に選ばれるほどの畑まで。
ここからは、その中でも特に人気が高いワンランク上のメルシャンワイン3本を紹介していきます。
椀子(マリコ) オムニス|世界が認めたワイナリーのフラグシップ赤
椀子(マリコ) オムニスは、シャトー・メルシャンの中でも「これぞフラッグシップ」と呼べる一本。
濃いベリー系の香りにスパイスや樽由来のニュアンスが重なり、飲みごたえがありながら舌触りはなめらか。
記念日ディナーや、大切な人への贈り物としても申し分ないクラスです。
「日本ワインで本気の一本を」という時には、まず候補に入れてほしい一品。
城の平(じょうのたいら) メルロー|黒果実の深みと洗練されたバランス
城の平メルローは、長くメルシャンが向き合ってきた「日本のメルロー造り」の実力を感じられる定番の1本。
カシスやブラックチェリーの濃い果実味に、丸みのあるタンニンがバランスよく重なり、口当たりはなめらか。
樽のニュアンスも控えめで、食事に寄り添いやすい仕上がりです。
牛肉のグリルやデミグラス系の料理と相性が良く、「いつものメルシャン」とは一線を画す奥行きのある味わい。
最初の“ワンランク上”に選ぶ1本として間違いありません。
萌黄(もえぎ)|受賞歴も豊富な万能系の白ワイン
萌黄は、「料理と一緒にするっと飲みたい」時に活躍してくれる白ワイン。
柑橘や青りんごのような爽やかな香りに、甲州由来のやさしい酸とシャルドネの旨みが重なり、和食・洋食どちらにもよくなじみます。
天ぷら、焼き魚、チキンソテー、サラダなど日常的なメニューとも合わせやすく、最初のシャトー・メルシャンとしてもおすすめの1本です。
これらのワインを見て、「メルシャン=安いだけ」ではないことを実感していただけたと思います。
この魅力に気づいているのは、メルシャンに関心を持ったあなたや、実際に飲み比べているワイン好きの人たちだけです。
特別な日の一本としても、話題を広げるきっかけとしても選べるワインばかりなので、ぜひ一度ゆっくり味わってみてください。
メルシャンワインのよくある疑問 Q&A


メルシャンのワインは種類が豊富で、スーパーやコンビニでも気軽に手に入ります。
その身近さゆえに、ふと気になる点が出てくることもありますよね。
ここでは、そんな日常の中で生まれやすい素朴な疑問を分かりやすくまとめました。
Q.メルシャンの親会社はどこ?
Q.メルシャンってどんな意味?
Q.「メルシャン」と「シャトー・メルシャン」の違いは?
出典:シャトー・メルシャン公式
Q.安いワインは体に悪いの?
出典:ワインの健康効果と価格帯
Q.メルシャンがワインから撤退は事実?
ボジョレーからの撤退に関する詳しい内容については以下をご一読ください。


Q.安いワインは酔いやすいって本当?
ワインの適量に関しては、こちらの記事が参考になります。


【まとめ】メルシャンワインは企業努力で安さを実現していた
メルシャンのワインは、手に取りやすい価格帯でありながら、“安いだけではない理由”がしっかりと存在していました。
ブドウの調達方法・生産体制・技術力・無添加へのこだわりなど、その背景には大手メーカーならではの長年の積み重ねがあります。
最後に本記事のポイントをわかりやすく整理しておきます。
【メルシャンワインの安さの秘密まとめ】
◆安さの理由は、濃縮果汁の活用・海外原料によるコスト削減・大規模設備と流通の効率化
◆メルシャンのデイリーシリーズは、ぶどう本来の香りをいかす“飲みやすさ重視”の味わい
◆酸化防止剤無添加ワインは、温度管理や技術などの創意工夫によって実現している
◆口コミでは「軽い・飲みやすい」「コスパが良い」が多数派
◆濃い味が好きな人には、シャトー・メルシャンの上位ラインが最適
◆メルシャンはキリンホールディングスのグループ会社
◆「メルシャン」の語源は「メルシー(ありがとう)」から来ている
◆安いワインだから悪い、酔いやすいということはない
◆メルシャンはワインから撤退したのではなく、ボジョレーの輸入から撤退
◆メルシャンは、日常用の1本から特別感のあるワインまで幅広く選べる
メルシャンのワインには、ただグラスを満たすだけではない、日々の時間をやさしく彩ってくれる力があります。
今日の食卓を少し楽しくしたいとき、誰かを思って選びたいとき、自分をねぎらう一本がほしいとき。
そんな何気ない瞬間に寄り添ってくれる1本が、きっとメルシャンの中で見つかるはずです。
ぜひあなたも、多彩なメルシャンを味わってみてください。
宜しければこちらもご一読ください。








